ビルメン業界で取得できる資格は?|資格の費用と難易度、優先度について

ビルメン
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ビルメン業界で取得できる資格の費用と難易度、優先度についてお話したいと思います。

ビルメン業界では資格が無くても仕事ができますが、資格取得が重要視されており以下のようなメリットがあります。

  • 資格手当による給与アップ
  • 知識・技術の習得による業務効率化
  • 社内評価や転職時に有利

独断と偏見によるものですが、ご興味のある方は読んでいただけると嬉しいです。

ビルメン4点セット

第二種電気工事士

難易度★★
優先度★★★★★
試験日年2回
上期:筆記試験 5月下旬、技能試験 7月下旬
下期:筆記試験 10月下旬、技能試験 12月下旬
費用・試験手数料 インターネット 9,300円/書面 9,600円
・工具 12,000円前後
・練習用部材 18000円前後
・免状交付手数料 5,300円(東京都の場合)
合計:約45,000円(+書籍代・交通費・切手代・写真代など)
試験方法・筆記試験 4肢択一式 マークシート
・技能試験 持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で、一定時間内に完成させる

ビルメン4点セットの中でも一番有効な資格が第二種電気工事士です。

ビルメンが実際に行う電気工事は少なく、古いビルの蛍光灯安定器の交換や壁コンセント・スイッチの交換程度ですが、電気設備の巡回・点検や電気関係のトラブル対応時には電気の知識が必要になります。

・筆記試験対策 過去問だけで十分です。

・技能試験対策 工具や練習用部材を自腹で購入する場合の出費が地味に痛いですが練習は必須です。

練習用部材は試験のあと使うことも無く処分するのも大変なので、レンタルサービスがおすすめです。

危険物取扱者(乙種4類)

難易度
優先度★★
試験日都道府県による
毎週(東京都)
約3ヶ月に1回(それ以外の地域)
費用・試験手数料 4,600円
・免状交付手数料 2,900円
合計:約7500円(+書籍代・交通費・切手代・写真代など)
試験方法・筆記試験 5肢択一式 マークシート

ビルに設置されている非常用発電機はA重油や軽油などで動作します。

資格が無くても業務上支障はありませんが、誤った扱いをすると危険なので知識として危険物取扱者(乙種4類)の資格は取得したほうが良いと思います。

ビルメンには必要なのは乙種4類だけで、それ以外は不要です。

・試験対策 問題集だけで十分です。

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二級ボイラー技士

難易度
優先度
試験日月1回程度
費用・試験手数料 6,800円
・ボイラー実技講習受講料 23,100円+教材費
・免状交付手数料 1500円
合計:約31,400円(+書籍代・交通費・切手代・写真代など)
試験方法・筆記試験 5肢択一式 マークシート

今の時代にボイラーがある現場はとても古いビルか病院、工場くらいなので基本的には不要な資格ですが熱源の知識として役に立つときがあるかもしれません…。

2級ボイラー技士試験で一番の問題は、関東の試験会場が千葉県の五井という利権まみれの未開の地で行われるため辿り着くのがものすごく大変です。

また、試験合格後にボイラー実技講習(3日間、受講料 23,100円)を受講しないと免状が発行されません。

・試験対策 過去問で十分ですが他の試験と違いボイラーのイメージが掴みづらいのでテキストがあると捗ります。

第三種冷凍機械責任者

難易度★★★
優先度★★★
試験日年1回 11月中旬
費用・試験手数料 電子申請 9,800円/書面申請 10,300円
・免状交付手数料 3,400円
合計:約13,200円(+書籍代・交通費・切手代・写真代など)
試験方法・筆記試験 5肢択一式 マークシート

ボイラーと同じく、免状が必要な冷凍機があるビルはほどんどありません。しかし冷凍サイクルなどビルメンの知識としては必要なものになります。

この試験は単純な5肢択一式ではなく、3~4個の文章から正しい選択肢の組み合わせを選ぶという独特の出題方式となっていて4点セットの中では一番難しい試験です。

・試験対策 日本冷凍空調学会が販売している初級冷凍受験テキストは非常に解りづらいので、適当な市販のテキストを購入して、エコランドさんで過去問を解きましょう。

冷凍機械責任者試験支援サイト EchoLand-plus トップページ

ビルメン三種の神器

建築物環境衛生管理技術者

難易度★★★★
優先度★★★★★
試験日月1回程度
費用・試験手数料 13,900円
・免状交付手数料 2,300円
合計:約16,200円(+書籍代・交通費・切手代・写真代など)
試験方法・筆記試験 5肢択一式 マークシート

ビルメン三種の神器の一つ。

社会の底辺である我々ビルメンは建築物環境衛生管理技術者(通称:ビル管)を取得してようやく人間扱いされます。

試験を受けるには2年の実務経験が必要になります。

三種の神器の残り2つはレベルが違うため、一般のビルメンはとりあえずこの資格取得がゴールになります。

・試験対策 過去問をひたすら周回。

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第三種電気主任技術者

難易度★★★★★
優先度
試験日年2回(2022年度より)
上期:8月
下期:翌年3月
費用・試験手数料 電子申請 7,700円/書面申請 8,100円
・免状交付手数料 筆記試験 2,350円
合計:約10,050円(+書籍代・交通費・切手代・写真代など)
試験方法・筆記試験 5肢択一式 マークシート
備考・電気科卒業者は実務経験による認定取得あり

ビルメン三種の神器の一つ。

最近は電気主任技術者を外部委託する建物が増えてきたため以前より需要は少なくなりましたが、それでも電気系最強の資格です。

この資格を取得して実務経験を積み年次停電作業を仕切れるようなら正直ビルメンより稼げる仕事に就けると思います。

筆記試験は3年以内に4科目合格する必要があるため、他の資格に比べて難易度は非常に高くなっています。挑戦する場合は勉強に専念できるよう他の資格をすべて取得してからにしたほうが良いでしょう。

正直、私は試験はで合格できる気がしなかったので取得する気は無かったのですが、電気科の高校を卒業していたので認定取得することができました。

認定取得は高校・大学の電気科を卒業後、実務経験年数を積むことにより免状を取得できます。認定取得をズル三種などと呼ぶ人もいますがビルメンにそんな高い意識は不要です。電気科の高校・大学を卒業しているビルメンの方、利用できるものは利用しましょう。

私の電験三種認定取得体験記に興味がある方は以下をご覧ください。

エネルギー管理士

難易度★★★★★
優先度
試験日年1回 8月上旬
費用・試験手数料 17,000円
・免状交付手数料 3,500円
合計:約20,500円(+書籍代・交通費・切手代・写真代など)
試験方法・筆記試験 マークシート

ビルメン三種の神器の一つ。

私は取得していないのでエアプですが、試験科目を見ただけで合格できる気が全くしません…。

必須基礎課目が1課目、選択専門課目が3課目あり、3年以内に4課目合格すれば試験合格となります。熱分野と電気分野を選択することができますので自分の得意な分野で試験を受けることができるようです。

これからの時代は省エネルギーの建物管理が要求されることが増えており、需要はある資格だと思います。

消防関係

消防設備士

難易度★★
優先度
試験日都道府県による
年数回
費用・試験手数料 5,400円
・免状交付手数料 1,700円
合計:約7,100円(+書籍代・交通費・切手代・写真代など)
試験方法・筆記試験 4肢択一式 マークシート及び筆記

指定区分に応じた消防用設備等の工事、整備及び点検をすることができる資格です。乙種は点検整備のみ。

実際には消防用設備等の工事・点検整備は専門業者が実施するため、実務上は特に不要な資格ですが、作業立会いは行いますので知識としてあると便利な資格ではあります。

ビルメンに必要なのは甲種第4類・乙種第4類(自動火災報知設備等)と乙種第6類(消火器)です。

・試験対策 問題集のみで十分です。

甲種第4類・乙種第4類を受験する場合、第二種電気工事士の免状を取得していると申請により試験科目の一部免除することができます。具体的には筆記試験の「電気に関する部分」と鑑別等試験の問1が免除になりますが免除しないことをオススメします。

試験科目を一部免除した場合、試験の合格には免除を受けた以外の問題で各科目40%以上、全体60%以上の成績が必要になります。

電気の問題はそんなに難しくないので電気工事士を合格した人にとっては得点を稼ぐチャンスです。特に鑑別等試験は5問しかないので、1問免除してしまうと残り4問で60%以上の成績が必要になり、逆に試験の難易度が上がりますので注意してください。

自衛消防技術試験

難易度
優先度★★★★
試験日東京都のみ
ほぼ毎週
費用・試験手数料 甲種 5,700円/乙種 3,800円
・免状交付手数料 2,900円
合計:約8,600円(+書籍代・交通費・切手代・写真代など)
試験方法・筆記試験 4肢択一式 マークシート
・実技試験

東京都における一定規模の建物では自衛消防活動の中核要員の配置が義務付けられています。警備員とビルメンが割り当てられるため、東京都のビルメンには必須の資格です。

・筆記試験対策 東京防災救急協会が販売している自衛消防技術試験問題集があれば十分です。学科編の参考書は買いましたが使いませんでした。

・実技試験対策 実技編の参考書があれば十分です。放送設備等を模擬操作するので現場の設備でイメージトレーニングをしておきましょう。

これらの書籍は一般の書店では販売していません。消防技術試験講習場(神田)売店や池袋・立川・本所防災館で買えますが結構高いです。

先輩から不要になったものを貰うか、現場の本棚に置いてあることも多いので、まず探してみるのをオススメします。私は自分で買った後に現場の本棚で見つけて泣きそうになりました…。

防災センター要員・自衛消防業務講習

難易度
優先度★★
講習日東京都 ほぼ毎週
費用・受講料金 35,200円

講習のみで取得できます。

防災センター要員は大規模の建物に設置されている防災センターに勤務する人が必要な資格です。防災盤等の監視や操作等を学べますので防災センター勤務じゃなくても取得しておくと役に立ちます。

一緒に取得できる自衛消防業務講習は、自衛消防組織の統括管理者や班長になれます。

5年以内に再講習を受ける必要があります。

普通救命講習(自動体外式除細動器業務従事者)

難易度
優先度★★
講習日各消防本部や防災協会による
東京都 年数回
費用・受講料金 1,500円

講習のみで取得できます。ビルメン以外にも需要が多く、講習はすぐ満員になるので予約はお早めに。

建物の敷地内で急病人が発生した場合、救急車到着まで警備員やビルメンが一次対応にあたりますので応急処置の知識が必要です。

また、最近は建物にAEDが配備されていますので使い方を知っておく必要があります。通常の普通救命講習ではなく自動体外式除細動器業務従事者講習を受講しましょう。

3年以内に再講習を受ける必要があります。

ビルメン業界の資格取得優先度

個人的なビルメン業界の資格取得優先度は以下になります。

  1. 建築物環境衛生管理技術者
  2. 第二種電気工事士
  3. 自衛消防技術者試験
  4. 三種冷凍機械責任者
  5. 防災センター要員・自衛消防業務講習、普通救命講習(自動体外式除細動器業務従事者)

すべてのビルメンは建築物環境衛生管理技術者の取得を目指しましょう。この資格があればとりあえずビルメン業界での仕事には困らないはず。

建築物環境衛生管理技術者の試験を受けるには実務経験が2年間必要なので、それまでにビルメン4点セット(特に第二種電気工事士と第三種冷凍機械責任者を優先的に)と実際の業務で必要な自衛消防技術者試験を取得。

防災センター要員・自衛消防業務講習と普通救命講習(自動体外式除細動器業務従事者)は講習だけなので、空いている時間に受講しましょう。

まとめ

ビルメン業界にも資格取得が目的になっている人(いわゆる資格マニア)がいますが、資格の取得は目的ではなく手段です。業務に活かせるように資格取得後も常に勉強していきましょう。

ねこつき
ねこつき

…なんて偉そうなことを言っていますが、私は資格手当のために頑張りましたけどね!!

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