基本的に工具や計器類はビルに配備されているため私物を使うことは少ないのですが、ビルメンが持っていると仕事が楽になる便利な道具を紹介したいと思います。
私がビルメンとして6年間・複数現場で働いてどの現場でも活躍した道具を紹介したいと思います。実際に自費で購入した価値はありましたよ!
①LEDフラッシュライト&ホルスター
我々ビルメンは天井の裏や床下など、光の届かない場所で仕事をすることが多い日陰者ですのでLEDフラッシュライトは必須アイテムになります。
基本的に配属先のビルにLEDフラッシュライトは配備されていますが、明るさを考慮して大型のものが多いです。工事や点検の際は便利なのですが、日常巡回で常に持ち歩くには大きすぎるため小型のLEDフラッシュライトがあると便利です。
ペン型の小型LEDフラッシュライトは胸ポケットなどに装備できるため利便性は高いのですが、明るさ不足と耐久性の低さからあまりオススメはできません。
LEDフラッシュライトの明るさについてはカタログスペックだけでは判断できないのですが、最低200ルーメンは欲しいです。
電池のタイプはどれも一長一短なのでお好みで。
- 単三電池・単四電池は経済的に助かりますが明るさ不足になりがちです。
- リチウム電池は性能は良いですが値段高いのでコスパは悪いです。
- 充電池は電池切れの際にすぐに使用できないことと、壊れて捨てる時に面倒です。
また、後述の作業用手袋を装備した状態でも握りやすい形状のもの、落下防止にストラップを取り付けることができれば安全です。
LEDフラッシュライトは基本的に消耗品です。発光部はあまり壊れないのですがスイッチ部が先に寿命を迎えることが多いです。
私が使用しているのは「ジェントス MG-732D」です。旧式モデルの220ルーメンなのでちょっと暗いのと電池の消費が激しいのが欠点です。
壊れたら買い替えようと思っていたのですがMGシリーズは耐久性が高く3年間以上使用していますがまだまだ故障する気配がありません。今まで使用した他のLEDフラッシュライトは大体1年位で壊れたのですがね…。
2022年最新モデルの「FLP-2107」は350ルーメンにパワーアップしていますので明るさも十分だと思います。 充電池式になりましたが単三電池でも動作します。値段が少し上がってしまったのが残念ですが…。

ポケットに入らないサイズのLEDフラッシュライトの相棒として、ベルトに取り付けるライトホルスターがあると持ち運びしやすいです。
私が一緒に使用している「ナイトアイズ ライトホルスターストレッチ」は通常のホルスターとして使用できるのはもちろん、ライトを装着したまま45度刻みで回転して固定することができます。両手がフリーの状態で対象物を照らすことができるためとても便利です。
耐久性も高く3年間使用していますがゴムバンドの破損はありません。少し緩くなってきましたが逆さにしてもライトは落ちない程度のグリップ力は維持しています。
欠点としてはLEDフラッシュライトをゴムバンドの力で固定するため、ライトの太さに制限があり、ヘッド部が膨らんでいるタイプでないとすり抜けて落ちてしまうことです。
また使用開始直後はゴムバンドがかなり固めだったので多少擦り傷が発生する可能性があります。お気に入りの高価なライトに使用する場合は注意してください。

②キーチェーン&カラビナ
基本的に鍵は落下・紛失防止のためキーチェーン等に繋いで使用します。
キーチェーンは100均などでも購入できますが、キーチェーン自体が破損して鍵を紛失してしまった…ということになっては意味がないので、信頼性・耐久性の面から国産メーカーの製品を購入することをおすすめします。
コイル部分の中に金属のワイヤーが入っているものはプラスチック部分が劣化したときの保険になります。
私は「コクヨ キーチェーン まなびすと ブルー」を使用しています。耐久性は非常に高く約5年間使用しておりますが破損していません。
金属のワイヤーは入っていませんが、直径6mmの芯入りコイルを使用しています。
付属のカラビナ・クリップ・鍵取り付け用金具はいらないので取り外しています。カラビナは別途用意します。

キーチェーンに付属しているような通常のカラビナだと鍵が気付かないうちに外れていることがありましたので、開口部をロックできるカラビナを使用しましょう。
私は以下の製品を使用しています。
「SK11 SAC-660BN ロックカラビナ」は安価ですがしっかりとロックすることができますので安心感があります。
「ナイトアイズ エスビナー スライドロック」はキーチェーン本体側と鍵またはベルトループ取付側、それぞれ別々に開閉・ロックすることができるので便利です。
カラビナの大きさはベルトループ側は40mm~50mm、鍵側は60mm~80mm位のものが使いやすいと思いますが、自分の使いやすい大きさを選んで大丈夫です。


③作業用手袋
ビルメンの仕事では天井裏や床下など金属や石など鋭利な危険物が剥き出しの狭い空間に手を突っ込むことも多いです。手指の保護のため作業用手袋は用意しましょう。
それ以外にもダンボール箱を持ったり、重量物を持ったり、工具を使用したり、設営のため机や椅子を運んだり……ビルメンは何かと握力を要求される仕事が多いのです。また冬場の防寒具としても活躍します。
軍手ではなく手のひら一面にゴムがついているものだとグリップ力が強くて使いやすいです。防刃性があるものだと安全性も高いです。
私は「3M スリーエム コンフォートグリップグローブ」を使用しています。汚れたら普通に洗濯機で洗っているのもあり、耐久性は2年程度です。ゴムの部分がポロポロと剥がれてきたら交換時期です。
この製品の特に素晴らしいところはゴム臭さが一切ないことです。以前、近所のホームセンターで安い類似品を買いましたがゴムの臭いがキツすぎて速攻で廃棄しました。
耐水性は一切ないのでゴム手袋代わりには使えません。その代わり蒸れにくく洗った後すぐ乾きます。
グレー、イエロー、オレンジ、グリーン、ブルーの5色がありますので使用用途によって色を変えることもできます。
Amazonだとグレーだけ何故か値段が高いので特にこだわりがなければ安い色を選んだほうが良いと思います。性能は変わりませんので。

④ペン型ドライバー
日常巡回時や点検時にちょっとした不具合を見つけたとき、指の入らない隙間を空けなくてはいけないとき、ドライバーがあればすぐ直せるのに取りに戻るの面倒だなぁ…ということがありませんでしたか? 私はありますねぇ!
そんなとき、ペンと同じ大きさでポケットに入るドライバーを持っていると便利です。
私は「高儀 GISUKE 4in1 ペン型差替ドライバー」を使用しています。
5mm六角軸両頭ビット2本(プラス側№1×マイナス側4mm)(プラス側№0×マイナス側3mm)が付属しています。
一般的に普及している6.35mm六角軸であれば色々なビットと交換できて使用の幅が広がったのですが、ペン型という大きさの制限があるので難しいですね…。
主に使用するのはマイナスドライバーで、小さな隙間をこじ開けるのに大活躍しました。
プラスドライバーはドアクローザーの調整などに使用することがありました。
あくまで工具がないときの代用品です。形状的にもあまり力が入らないのでネジを回す動作には向いていません。無理に回すとネジ頭を潰すかドライバーが折れますので諦めて正しい工具を取りに戻りましょう。
同僚はキーチェーンに取り付けるタイプのドライバーを使用していました。お好みでどうぞ。


⑤腕時計
スマートフォンの普及に伴い若者の腕時計離れと言われておりますが、意外にもビルメンでは腕時計の装備率は高いです。
緊急対応時などは後で報告書を作成するために常に時間を把握しておかなくてはなりませんが手を止めてスマートフォンで頻繁に時間を確認している暇はありません。
また作業場所によってはスマートフォンは落下・紛失の可能性もありますので取り出せない場合もあります。手が汚れることも多いのでその状態でスマートフォンを触りたくないことも多いです。
そのため腕時計を装着しておくと意外と便利だったりします。
作業中何かにぶつけたりして傷が付きますし、汚れることもありますので高いものを装備する必要はありません。ファッション性やステータス的なものは一切不要で、日常生活防水機能と正確な時間がわかればいいだけなのでチープカシオあたりが性能と値段のバランスが良いと思います。
私は「カシオ F-84W-1」を使用しています。今はチープカシオが全体的に値上がりしてしまいましたが当時は1000円以下で購入できました。
5年間使用していますが本体の故障はなく電池交換は一度もしていません。
残念ながら3年目ぐらいでベルトが切れてしまいましたので100均のベルトを取り付けて使い続けています。
この製品の欠点としては暗所で時間の確認ができないことです。ライトが搭載されていますがとても時刻が確認できるほどの明るさではないため、これなら無いほうがマシです。あとはいつの間にか右側のボタンが押されていて12時間24時間表記が切り替わっていることがあります。

番外編:寝袋
私が配属された宿直のある現場は、折りたたみベッドに敷布団と毛布・掛布団があり、そこで仮眠を取っていました。
仮眠の時は共用の寝具を使いまわして寝ています。気にならない人はいいのですが、おっさんの汗とか油とか色々なエキスが染み込んでいるわけです。一応枕カバーやシーツは個人に支給されましたが、やっぱり気になりますよね…。
あと結構寝る前にシャワーを使用しない人も多いです。社会の底辺であるビルメンに常識は通用しないのです。
共用の寝具を使う以上最低限そのくらいはしてもらいたいのですが個人の生活リズムがありますのでなんとも言えません。古いビルのシャワー室ってあんまり綺麗じゃないから使いたくないって気持ちもわからなくないですが…。
そんなわけで寝袋を用意しているビルメンは多いです。
外で寝るわけではないので安い寝袋で十分です。
私は「キャプテンスタッグ プレーリー 封筒型シュラフ600」を使用しています。冬でも十分暖かいです。

まとめ

100均などで揃えてもいいのですが、信頼性・耐久性を考慮してちゃんとしたメーカーの製品を購入することをおすすめします。