2022年12月9日、アーマード・コア最新作『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』が発表されました。
2013年に「ARMORED CORE VERDICT DAY」が発売されてから約10年間、続編の情報はなかったので諦めていたこともあり、この発表にはとても驚きました。
しかし過去シリーズの大半をプレイしてきた私は期待より不安のほうが大きいのです。
そんな元レイヴンの独断と偏見によるアーマード・コアの新作が期待より不安な5つの理由について語りたいと思います。
ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON は PlayStation 4 / PlayStation 5 / Xbox One / Xbox Series / Microsoft Windows(Steam)のマルチプラットフォームで2023年発売予定です。
アーマード・コアについて
株式会社フロム・ソフトウェアより発売されたロボット3Dアクションゲームのシリーズです。
プレイヤーは傭兵となり、パーツを組み合わせることにより自分だけのオリジナルロボット(アーマード・コア)を作成・操縦してミッションを遂行して報酬を得ていき、最終的には世界の真実を知るというようなストーリー。
現在まで15作品(ポータブル系・モバイル系を除く)発売されており、ハードウェアも初代PlayStationからPlayStation2、PlayStation3 & XBOX360と時代に合わせて変化しています。一部の作品はPlayStation Portableにも移植されています。
アーマード・コアが他のロボットゲーと一番違うのは、パーツを組み合わせて自分だけのロボットを組み立てることができるという点であると思います。
単体では強力なパーツでも他のパーツとの組み合わせによっては性能を十分に発揮できなかったり、逆に組み合わせ次第では強いパーツになったりするところがとても面白くやりこみ要素がありました。
私がプレイしたアーマード・コアシリーズ
私は「ARMORED CORE PROJECT PHANTASMA」からこのシリーズをプレイしているいわゆる地球人(※初代AC系からプレイしている人)です。その後「初代ARMORED CORE」に戻り各作品を遊びました。
「ARMORED CORE NEXUS」をプレイしてあまりの操作の難しさに引退。一度離れました。
「ARMORED CORE 4」で復帰しました。AC4はPS3・XBOX360の新ハードウェアに移行したこともあり操作性が一新されて従来の重厚感あるロボットから空を飛び回る爽快感ある動作になりました。賛否両論だったと思いますが私の友人のようにAC4から入る新規ユーザーはそれなりに居ましたし、私のように復帰ユーザーも多かったと思います。
その後、気になっていた「ARMORED CORE LAST RAVEN」をプレイします。
続編の「ARMORED CORE for Answer」の大雑把なゲーム感に萎え気味だったところで「ARMORED CORE V」がオンライン対戦メインのゲームになってしまったのでプレイすることなく再び引退、現在に至ります。
そのため「ARMORED CORE NINE BREAKER」「ARMORED CORE FORMULA FRONT」「ARMORED CORE V」「ARMORED CORE VERDICT DAY」の4作品以外はプレイしました。
アーマード・コアの新作が期待より不安な5つの理由
人を選ぶメカ系ゲームと約10年間のブランク
ガンダムやマクロスに代表されるようにメカ系・ロボット系の作品はブランドが大事です。
ブランドが長く続くと逆に新規が入りづらいというデメリットももちろんありますが、それ以外の作品だとそもそも話題にすら上がらない状態です。
大衆受けせずマニアックなジャンルであるため、人口が増えず苦戦しています。
そして2013年にACVDが発売されてから約10年間のブランクがあります。
おそらく過去作のスタッフもほとんど残っていないと思いますし、ACVD以降他のロボットゲームも作っていないようなのでノウハウなんか失われている可能性もあります。
サウンドトラックやプラモデルの発売などグッズの販売は細々と続いていたようですが、10年間何も無かったアーマード・コアのブランドを再始動したところで過去作のファン以外には厳しいのではないかと思います。
特に今の10代・20代の若者はメカ系・ロボット系は苦手どころかそもそも手を出してくれないので、今までのやり方ではなく新しい方法で新規ユーザーを獲得できなければアーマード・コア6がシリーズ最後の作品になってしまう可能性もあるでしょう。
オンライン対戦メインのゲーム性
アーマード・コアの魅力のひとつに、自分で作成したロボット同士を戦わせることができる対戦モードがあります。
オフラインで完結するゲームではクリアしてしまえばそこで終了ですが、対戦モードがあればもっと強いロボットを作成したり、操縦技術を上げたりするためにユーザーに長く遊んでもらえます。
そのため制作側としては対戦モードを推したいのでしょう。ACV系では完全にオンライン対戦メインのゲームに移行してしまいました。
対戦ゲームは勝てば楽しいですが負けると悔しい。下手な味方にイライラする。昔の作品のように友達と同じ空間でワイワイ遊ぶのであれば勝っても負けても楽しめるのですが、オンライン対戦で顔の見えない相手と戦って負けると結構なストレスなんですよね。
ゲームをプレイしてストレスが溜まるくらいなら最初からゲームを遊ばないほうが良いのです。
その結果、一部のユーザーだけが残り、ライトユーザーやAC4系で獲得した貴重な新規ユーザーも逃してしまったのです。
ACV系の時代よりもハードウェアもネットワークも進化した現在、AC6(仮)もオンライン対戦メインのゲームになるのではないかなぁと予想しています。
バランス調整の下手さ
フロムソフトウェアはゲームバランスの調整が下手くそです。
CPU戦と対人戦では求められるバランスが全くので難しいところではあるのですが、各シリーズにはテストプレイしたのか疑うような使えないパーツ(いわゆる産廃)が多すぎます。
AC4・ACfAではレギュレーションといってパーツのステータスや内部計算式などを調整するパッチが配布されましたが、調整がぶっとんでいるため強パーツがいきなり産廃になったり、その逆も然り。NPCがまともに動けなくなったり、結局使えるパーツの総数はあんまり変わらなかったり。まともにバランス調整する気が無いんじゃないかと疑いたくなります。
CPU戦であれば強いパーツは使用禁止にするなど自分で縛りプレイをする楽しみもありますが、対人戦だとそういうわけにもいきませんからね。
対人ゲームとして制作するのであればまずはバランス調整ができないと難しいでしょう。
フロムソフトウェアがKADOKAWAの子会社になったこと
2014年4月にフロムソフトウェアはKADOKAWAの子会社になりました。
AC6(仮)は新しい組織体制になってから発売される初めてのアーマード・コアシリーズです。
これは不安でもあり期待でもありますね。
かつてのフロムソフトウェアはマニアックな作品が多く、あまり一般受けするゲームは作っていませんでした。
KADOKAWAの子会社になってから発売されたゲームは評判が良い作品も多いので、良い意味で方向性を変えてくれることを期待しています。
スマートフォン・ソーシャルゲームとの競合
現在はスマートフォンが普及し、Youtubeなどの動画コンテンツやソーシャルゲームなど楽で面白いコンテンツに溢れており、ユーザーの時間を奪い合うような状態です。
しかもそれらのコンテンツは基本無料です。
据え置き型のハードウェアを容易して、ゲームソフトを買うという環境自体が時代遅れになりつつある今、どれだけのユーザーがプレイしてくれるでしょうか。
アーマード・コアシリーズがこの先生きのこるには
とにかく新規ユーザーを獲得することです。
同じような環境で、最近新規ユーザーの獲得に成功した作品が「機動戦士ガンダム 水星の魔女」です。
この作品もガンダムというブランドのせいで注目されるも、古参ユーザーが多く新規ユーザーが入って来ない環境でしたが、従来のガンダムシリーズの雰囲気を残しつつ学校を舞台として若者をはじめとする新規ユーザーを獲得することができました。
AC6(仮)も今までのようなゲーム性や世界観では新しいユーザーを獲得することは難しいので、何か新しい方向性で新規ユーザーを獲得できるような作品になることを望みます。
おそらくオンライン対戦がメインのゲーム性になると思いますので、最近流行のバトルロワイヤル系のゲームにするとか、「機動戦士ガンダム オンライン」や「ファンタジーアース ゼロ」がサービス終了したことにより50vs50の大規模対戦ゲームの枠が空いていますのでそこを狙うとか。
また、今の時代はソーシャルメディアを活用しないと生き残ることができません。
アーマード・コアも新作発表でトレンド入りする位の熱量はありますので、上手く活用できると良いのですが。
まとめ
色々と不安要素はありますが、アーマード・コアの新作が発表されたことは嬉しいですね。
面白い作品が発売されることを祈っています。

アーマード・コアの新作発表が集団幻覚と呼ばれるのは流石に草
